アーム式?岩瀬投手のキレのある投球の秘密(その2)
いたって普通のフォーム、ですがなぜか打てない岩瀬投手のボール。140km位のストレートとスライダーにバッターは翻弄されてしまいます。ダルビッシュ有選手のようにしなるような腕の振りがあるわけでもなく150kmを超えるスピードボールがあるわけでもありません。キレが良いというひとことで済まされがちですが今回は岩瀬投手の投げ方を検証してみようと思います。
岩瀬投手の映像や連続写真などを分析し、そのモノマネをしてみました。そうしてわかったのは岩瀬投手の場合、投げる腕には力を入れずにデンデン太鼓が振れるようなフィーリングで腕が振られているということです。普通は投げる腕の筋肉、その多くは三角筋などに力を入れて腕を振ろうとするはずです。(写真1)
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岩瀬投手の場合本人の感覚としては投げる腕の筋肉に力を入れない、腕を首の付け根からまるで子供がかばんを振り回すような感覚で振るという感じだと思います。(写真2)
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岩瀬投手はリリースの瞬間首を横に振ります。(写真3)
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この動きは投げる腕に遠心力を与えようとする半身の動きの結果起こります。(写真4)
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岩瀬投手はグローブ側半身の筋肉で回旋を生み、投げる腕は力を入れていないのでアーム式のように見えるのです。(写真5)
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この投げ方に近いピッチャーは他にもいます。同じ中日ドラゴンズの山井大介投手です。2007年の日本シリーズ最終戦で山井投手と岩瀬投手のパーフェクト完封リレーは見事でした。一つのチームに素晴らしい投げ方の選手がいるとその投げ方をまねるのかもしれません。阪神の藤川投手と久保田投手の体の使い方はたいへん似ています。日本球界の一流選手たちがメジャーリーグに移籍するのもまねるべき超一流選手がたくさんいるからかもしれません。技術を磨く者として高い技術を身に付けたいという欲求は当然だと思います。みなさんも一流選手の動きを性格や考え方歩き方さえもモノマネするつもりで真剣にまねてみましょう。
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