自然身体構造研究所 編

第26号:

スナップについて (野球達人トレーニング ピッチング)

素早くスムーズな腕の振りに必要な強力なスナップ。スナップを上手く使うことで「ムチのようにしなる」ピッチング方法を身につけることができるようになります。スナップを上手く使い、ベストな腕の振りを見るけための方法を紐解いてみましょう。



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スナップについて (野球達人トレーニング ピッチング)

「あの選手はスナップが強い」普通、私たちはスナップというと手首の前後(屈伸)の動きを言います。素早くスムーズな腕の振りには強力なスナップが必要です。ピッチャーでリリースまでは本当にスムーズな動きなのですが、リリースの瞬間「スナップを減速させてしまう」ようなピッチャーに出会いました。いわゆる「球を置きにいく」と言われるような投げ方です。本当にもったいないと思います。このピッチャーは、調子の良い時は140km位スピードが出るのですが「球を置きにいく」が始まると、どんなに頑張っても132〜135km位しか出ません。こういうときに痛打されるケースが多いのです。このピッチャーはスナップに問題があります。

まず実験していただきたいのですが、自分の手首に力いっぱい力をいれてスナップしてみてください。次にただ手首をブラブラさせてください。明らかに手首をただブラブラさせた方がスピードが速いことがわかります。単純ですが手首に力を入れてスナップをすることが間違いであることが解ります。私達は、このように「力を抜けば力が出る」ケースもあることを忘れてしまっています。筋肉は力を入れる、力を抜くの連続で動いているのです。

もう一つこんな実験をして下さい。手をひろげて、「おいで、おいで」をするように指を動かします。まずは指だけで「おいで、おいで」をしてみて下さい。次に手のひらも含めた手全体で「おいで、おいで」をしてみて下さい。どうでしょう。手のひら全体で動かした方が楽に勢い良く動くと思います。実は手のひらの中にも関節がありますので、手を効率よく動かすためには指だけではなく手のひらも含めた全体を動かすことが良いのです。(図)

図1 (図1-クリックで見る事ができます。)

指だけを動かす場合、ピアノの鍵盤のタッチや習字の時の手の使い方、当然ボールを投げる時やバットを扱う時など効率よく動きません。ぎこちない硬い動きの印象になってしまいます。ピアノの音色や、文字の勢い、ボールのキレなど。人間の手には、最先端のロボット技術でも再現できないすばらしい機能が備わっています。温かさや冷たさ、柔らかさや硬さなど、手から様々な情報を受け取り、またその情報をもとに判断して行動しています。

ピッチャーの場合、ストレートを投げたり変化球を投げたりするとき、手の中で色々なコツがあります。ボールはリリースの瞬間に指先から伝わった力で投球されます。全身から伝わってきた力が指先のほんの一点からスピードボールになるのです。ですからボールを持った手の使い方で投げたボールに多大な影響がでることは間違いないと思います。スナップの強いピッチャーは「腕がムチのようにしなる」などと表現します。ムチは、手元で振った力が先端まで連動して伝わります。スナップもうまく使わなければムチのような腕の振りは出来ません。ボールを投げる時のフォロースルーの腕は、ストレートでもカーブ系でも最後は内側にひねらなければなりません(回内)。肘などの腕の構造上回内しなければ故障がでてしまうことになります。ここで実験をしてみましょう。ボールを持った手の形を作って体の前に伸ばします。そして、その状態で腕を回します(回内・回外)(写真1)。

写真1 (写真1-クリックで見る事ができます。)

次に同じようにボールを持った手の形から、体の前に腕を伸ばします。今度は、腕を内側にひねった時に小指と薬指を伸ばしてみます。どうですか、小指と薬指を伸ばした方が楽に大きく回転することがわかります(写真2)。

写真2 (写真2-クリックで見る事ができます。)

腕を回内する運動は、伸びる運動を伴いますので小指と薬指を曲げたままではなくて伸ばした方が動きの幅が大きくなります。巨人軍の工藤投手は、リリース後のフォロースルーで小指と薬指を伸ばしてしまうフィニッシュをよくとっています。少なくともリリース後の瞬間に小指と薬指は緩めていかなければなりません。回転のスピードをロスしないように。腕は回内すると伸ばしやすい、回外すると曲げやすい(写真3)。

写真3 (写真3-クリックで見る事ができます。)

ピッチングでいえば腕を振り上げる時、ちょっと腕が曲がるので回外させながら行うと楽ですし、リリースは回内させた方が楽です。腕の回内・回外を利用して腕が楽な場所を探してピッチングすると、その人のベストな腕の振りが見つかります(写真4)。

写真4 (写真4-クリックで見る事ができます。)


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(例:体の使い方について/トレーニンググッズについて)
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